公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

更新

剣道七段審査会(宮城)

開催日:
2015年08月22日(土)
会場名:
仙台市青葉体育館
受審者数 合格者数 合格率 形再受審
745 109 14.6% 1

合格者氏名一覧

年度別、審査会結果一覧はこちら

審査員の寸評(実技)


 このたび不合格となられた方、またこれから審査を受けられる皆様方には、今一度『剣道称号・段位審査実施要領』(「段位審査の方法」)に記された審査の着眼点をご覧ください。これこそが受審者と審査員の共通項であり接点であります。

 最近の審査の傾向として、「正しい着装と礼法」と「適正な姿勢」については、申し分のない方が多いように見受けられます。

 一方、「基本に則した打突」においては様々な難点が目につきます。ぜひ、根本的に日ごろの稽古から見直していただきたいものです。

 その着眼点で、ただ一つネックとなっているのが「勝負の歩合」です。 この、勝負の歩合を重視し過ぎると、いきおい形なり振ふり構わぬ遣やり取りに陥ってしまうからです。

 日ごろ負けん気の勝負稽古に終始している人が、審査の時だけ・〝基本に則し……〟と、取り繕っても、いかんせん付焼刃、かえって動作にぎくしゃく感が生じ、審査員には「錬熟度」に欠ける、と映るものです。

 そのような情況下で、力みだって放たれた面技など上体が不安定で、しかも打ち抜けが冗長とくれば、これまた「鍛錬度」が低いと評されて然るべしであります。

 もちろん、勝負の歩合も大事な着眼点の一つではありますが、敢えて着眼点の最後尾に掲げてある意味合いを斟酌していただきたい、と願うものです。

 さらに六段以上には、「理合」「風格・品位」といった、曰いわく言いがたし、高度な要素が求められます。

 間合を重視した攻め。一触即発の間、真際のタメ。機会を得た必然の有効打。そして、それらプロセスの再現性などです。

 洗練された趣きや味わいも、こういった修錬を積み重ねることによって、自ずと身に備わってくるものと考えます。

 以上、苦言を呈し寸評にかえさせていただきます。

真砂  威

審査員の寸評(剣道形)

 今回、8月仙台市青葉体育館審査会で形の審査を担当いたしました。他の審査員の指摘も含めて形になにを求め、なにを学ぶか所感を述べさせていただきます。

 3カ月前に第16回世界剣道選手権大会も終わり、日本の剣道とはなにか等考えさせられたと思います。その中での七・六段の審査会を考えた時、日本の文化として継承されてきた剣道の中身内容に剣道としてどのような価値があるのか。現代剣道の有効打突一本の技術構造の根源になる理合(位、拍子、間合、手の内の作用、冴えのある打突)がすべて剣道形に含まれていることを再認識して修錬して下さい。

 『日本剣道形解説書』、『剣道講習会資料』には、動作の仕方をこと細やかに解説されております。まずこの動作を正しく身につけて、武術的攻防の仕方の意味、理合を修得して技法心法の奥深いところを体得してもらいたいと思います。

 残念ながら七段位では1名、六段位では5名の方が不合格でした。それぞれの段位で本物を伝え残すため本物の技術を身につけて下さい。

 七段位で目立って欠いていた内容は、
①構えの重厚さ、打突の迫真性
②目付が定まっていない
③打突後の残心の体現、気がぬける
④七段位としての風格が足りない 

六段位では間合のつめがあまく、
①空間切りが多い
②三本目の水月の突きが高い
③打ち間に入って合気の間に緊迫性がない
④四本目の左上段に変化して一拍子で切り結ぶ
⑤小太刀の相手を制した時の間合
⑥入身の体現がない

 以上のような動作を七段位、六段位としての威厳がでるように精進して下さい。益々のご精武を期待し寸評とします。

加藤 浩二
*この記事は、月刊「剣窓」2015年10月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道七段審査会(宮城)
開催日
2015年08月22日(土)
会場名
仙台市青葉体育館
〒981-0912 宮城県仙台市青葉区堤町1-1-5
仙台市営地下鉄 北仙台駅下車 北2番出口から徒歩5分JR仙山線 北仙台駅下車 徒歩10分位
お知らせをシェア

過去の審査会

関連する審査会