公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道七段審査会(愛知)

開催日:
2014年11月15日(土)
会場名:
名古屋市枇杷島スポーツセンター
受審者数 合格者数 合格率 形再受審
825 137 16.6% 3

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審査員の寸評(実技)

 恒例の名古屋開催の七段、六段審査が11月15・16日の両日に行われました。事前に行われた審査員研修会において称号・段位委員長の網代忠宏常任理事から審査規則の付与基準をよく承知した上で厳正な審査を実施する旨のご指示をいただいて第1審査会場を担当しました。

 さて今回の審査上の所見の一端を述べます。

※立ち上がりについて
 立ち上がりの重要性は言うまでもないと思いますが、未だ不十分な方が散見されました。昔から「先を取れ 先を取られるな 先を取れ」と教えている通り、主導権を取って、是非とも初太刀を頂戴する必死の覚悟に乏しく感じました。また、「初太刀 値千金」といわれる位に初太刀を物にすることが好結果につながる訳です。

※打つべき機会を捉えること
 逸る気持ちから相手構わず技を出して墓穴を掘る方が見受けられました。七段・六段に求めるのは攻防において攻め勝った方が打つ権利を有するといった「攻め勝って打て」の理合です。従来は体力、スピードに頼っていた段階から「攻め・溜め」の理に適った剣道の領域へと進み入っていただきたい。

※有効打突の表現の有無について
 有効打突の要件、要素の各項目は、それぞれの段位に相応しい技量を推測する着眼点であり、極めて重要なポイントです。さらなる有効打突の修得を目指していただきたいものです。

 以上、拙劣な文章となりましたが皆様の弛みないご精進を祈念申し上げます。

小坂 達明

審査員の寸評(剣道形)

 名古屋審査会で剣道形を担当いたしました。厳しい実技審査に合格されながら、形審査において、不合格者が出たことは誠に残念でありました。不合格となられました方は再審査に挑戦されると思いますが、一度各剣道連盟の先生方にご指導を受けられてから、再審査に挑戦されるのが宜しいかと思います。

 なぜかと申しますと、剣道形に触れて格調高い剣の真髄を追及して、刀法・心法そして剣道と武道としての部分をしっかり後世に伝えていく義務をわれわれは持っているからです。

 間合・呼吸・気争い・機会・技の合理性・心技の理合・残心・位や風格、剣道の本質であり、だからこそ剣道は武道なのです。
 剣道があまりにも競技化して、試合本位、勝負第一主義に流されつつある習慣的な悪さを正すのに、剣道形は剣技のもっとも大事な根本の理法を示すものであり、剣技の原理原則であると思います。

 真の武道としての理法を鍛錬修錬し、伝統文化として形稽古で追及する。そして剣道の武道としての部分をしっかり後世に伝えていく義務を高段者になられましたら持っていただきたいと思います。

 打太刀と仕太刀の関係――打太刀は師の位、仕太刀は弟子の位です。演ずる時は、常に打太刀が先行し、仕太刀は技の起こりにしても、例え瞬間的であっても遅れて動くもので、仕太刀が先に動いたのでは、理がないことになります。打太刀・仕太刀の関係を理解して呼吸を合わせ、仕太刀が打太刀より先に始動しないようにして下さい。この関係こそが、日本剣道形に示された心法です。

 同時に、礼法の根本を守っていただきたいと思います。

 刀法としての五行の構えが全体に出来ていないのは、右手が硬く左手が生きていません。刀の使い方は左手が主役です。太刀の上段・八相・中段・下段・脇構え、それぞれに構えは違いますが、左手が生きていないと正しくつかうことは出来ません。小太刀の一~三本目とも、左手は親指を後ろにして腰に添えるのを忘れないで下さい。

 不合格になられました方は単純なミスが原因だと思います。合格してからが本物になる努力が大事です。形の講習会等に積極的に参加するなど、益々修錬されることをお願いいたします。

近藤 勁助
*この記事は、月刊「剣窓」2015年1月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道七段審査会(愛知)
開催日
2014年11月15日(土)
会場名
名古屋市枇杷島スポーツセンター
〒451-0053 愛知県名古屋市西区枇杷島1-1-2
(1)名鉄 名古屋本線 栄生駅又は東枇杷島駅下車 徒歩7分(2)市バス (名古屋駅) レモンホーム10番のりば発 4系統循環 レモンホーム11番のりば発 117系統循環 枇杷島スポーツセンター下車
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