公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道七段審査会(山口)

開催日:
2016年08月27日(土)
会場名:
維新百年記念公園 スポーツ文化センター
受審者数 合格者数 合格率 形再受審
504 84 16.7% 0

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審査員の寸評(実技)

 合格された皆様、おめでとうございます。今日から取得段位に、より相応しい力を付けるべく、ご精進いただきたいと思います。そうすれば自ずと次が見えてきます。

 意に反した結果となられた皆様には、次回は充分な準備に裏付けられた自信を持っての立会を願っております。

〔審査を迎えるまでの準備〕 今回、評価をされなかったのは何故、何処なのかを気付くことだと思います。気付かなければ稽古での修正はできません。指導者としての立場の方も多いと思いますから、普段指導助言をしてくださる人、機会も少ないと思います。師、剣友に自らそれを求める姿勢も大切であると思います。

 そして日々、三磨の位(習・工・錬)を体し、より素晴らしい一本を目指し、合気での稽古を心掛けていただきたいと思います。そうすれば七・六段の着眼点でもある「理合」「風格・品位」も自然に身に付いてくると思います。

〔当日立会までの準備〕〇着装の点検・確認、〇精神の集中力を図る、〇運動機能が充分に発揮できるように、また傷害防止の観点からも準備運動をしっかり行う。これらを整えておいていただきたいと思います。

〔打突〕有効打突の要件は当然ですが、立会では、より要素の重要性が高まります。

〔打突までの準備〕 攻めの間合(触刃)での心のやり取り、攻め合い。打ち間(交刃)での気の溜め(気で克つ)を大切にしてください。打突は一気、一拍子で切れのある体捌き、手の内の作用による打ち切る(捨て切る)心構えが寛容だと思います。

 攻めの間合から如何に打ち間に入るかが大切で、打突するまでの先の取り方等が問われることにもなると思います。機会は気攻めによって捉えられ、気で打った技は感銘を受けるものです。

 一般的な心構え等について述べ、寸評の意を尽くしていませんが、皆様のご精武をお祈り申し上げます。

山中 茂樹

審査員の寸評(剣道形)

 山口県での七段・六段審査での剣道形を担当いたしました。他の審査員の感想を含めて感じたこと
を申し述べます。

 実技合格後、すぐに全く初めての相手と、事前に合わせることもなく実施することは、大変不安で困難なことであったと思いますが、皆さん受審態度が真剣そのもので評価することができました。

 内容につきましては、合格された方でも十分とは言えませんでした。剣道形の精神・理合・所作をあまり理解しておらず、ただ形かたちのみを覚えるだけで良しとしているのが多く見受けられたのは残念でした。

 現今、剣道形は軽視されがちですが、剣道理念の「剣の理法」いわゆる刀法・心法・身法は、すべて剣道形に包含されており、修錬を重ねることによりこれを習得することができるのです。

 竹刀剣道での有効打突の競い合いだけでは、加齢による体力の低下と共に技術は行き詰ってしまいます。刀かたなの代用である木刀を使用しての剣道形と竹刀剣道を車の両輪として兼修することで行き詰まることなく、終生道を求めていくことができるのです。剣道形の重要性についてしっかりと認識していただきたいと思います。

 『日本剣道形解説書』に、昭和8年に加註増補された形の原本が載っておりますが、特に高段者は解説書と原本を併せて研究することが大切です。剣道指導上の留意点と、剣道形審査上の着眼点は非常に大切な要素です。「指導上」と「審査上」を「修錬上」と読み替えて修練して下さい。

 『講習会資料』は、解説書では説明不足の点や疑問点を、審議会の統一見解として出したものを補足説明として整理されております。この2書を熟読し理合を学び所作を正しく身につけ修錬して下さい。

太田 忠徳
*この記事は、月刊「剣窓」2016年10月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道七段審査会(山口)
開催日
2016年08月27日(土)
会場名
維新百年記念公園 スポーツ文化センター
〒753-0815 山口県山口市維新公園4-1-1
JR山口線「矢原駅」下車、徒歩10分
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