公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道六段審査会(福岡)

開催日:
2014年08月31日(日)
会場名:
福岡市民体育館
受審者数 合格者数 合格率 形再受審
938 237 25.3% 6

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審査員の寸評(実技)

 今年の夏は例年の猛暑に加え、異常気象が起こり全国各地で台風や大雨による甚大な災害の出る地域もありました。特に、8月20日に広島市北部を襲った大規模な土砂災害で被災された方々に、謹んでお見舞い申し上げます。困難に屈することなく受審された広島県の方々に敬意を表します。

 このたび福岡市で行われました審査は、七段19・6%、六段25・3%という高い最終合格率となりました。この結果は受審者の方々の日頃の修錬の賜物と思います。また残念な結果になった方々に対し、今回第3会場を担当して感じたことを述べさせていただき、今後の参考にしていただければと思います。

 審査になると、余りにも姿勢を正しくすることにとらわれすぎて、相手との攻防や溜めを作れないうちに打って出て無駄打ちになったり、体全体や肩に力が入りすぎ手足が動かず冴えのない打ちが目立ってしまい、普段の力を発揮できない方を多々見受けました。普段から正しい剣道の稽古内容、それには「姿勢態度は審査のごとく、そして気持ちは試合をしている気持ちで」と言われています。

 立礼から蹲踞、立ち上がり、相手と竹刀で心と心の会話をしながら攻防し攻め崩す。打突すべき機会を、身を捨てて打ち切り残心を示す。特に初太刀を大事にすることを常に心掛ける。この一連の動作が剣道の本筋です。

 日頃から有効打突の基準である「充実した気勢・適正な姿勢・刃筋正しく」を意識した稽古、打突の機会を再確認する、理に適った稽古の積み重ね、懸かる稽古の重要性、を忘れず精進してほしいと思います。

 今一度、剣道の原点である剣の理法を学ぶ意義を認識し、自己研鑽していただき、ますますご精武されることを期待して寸評といたします。 

鈴木 康生

審査員の寸評(剣道形)

 剣道形は『日本剣道形解説書』に記載の通り、太刀の形七本、小太刀の形三本と僅か十本ですが、形には剣道の三源流の粋を集約した心法・体法・刀法が包括されており、これらを真剣に応用して稽古に励むと一流の武道家になれると言われています。

 「形は稽古の如く、稽古は形の如く」という格言があるように稽古と形は一対のもので、是非稽古と形を併せて修錬することを進言いたします。

 福岡県における審査会での剣道形審査員として感じたことを述べさせていただきます。

1、立会前後の所作
   仕太刀で、小太刀を置く時と、形が終わり太刀の置いてある位置に移動し太刀を持つ時に、下座側の膝をつかない人が散見されます。

2、構えについて
   形の原点である五行の構えが正確にできていません。諸資料、指導者に聞くなどして研究することが大切です。

3、打突
   打太刀は、太刀の時は機を見て、小太刀の時は入身にならんとするところを、後ろ足をともなって物打で正確に打ちます。仕太刀は、間合を考え、緩急強弱、後ろ足をともなって一拍子の打突を心掛けて下さい。

4、小太刀について
   仕太刀を苦手にしているように見受けられました。特に、二本目で中段半身から相手の手元に飛び込んで行く状態での右鎬の受け流し、残心に苦労していたようです。反復して稽古することを勧めます。

※形で不合格になった受審者の多くは、仕太刀の方で、仕太刀の時左手を腰にとる要領が悪かったからです。『日本剣道形解説書』の3頁上段左端に「注⑴左手を腰にとる要領は、刀の場合は栗形の部分を親指を前にして軽く押さえ、木刀の場合は親指を後ろに、四指を前にして腰にとる」と明確に記載されています。次回から特に注意して下さい。

 終わりに、合格された皆様方は高段者として指導する立場になります。一層の自己研鑽を期待します。

神  民也
*この記事は、月刊「剣窓」2014年10月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道六段審査会(福岡)
開催日
2014年08月31日(日)
会場名
福岡市民体育館
〒812-0045 福岡県福岡市博多区東公園8-2
地下鉄「千代県庁口」駅下車、徒歩1分西鉄バス「千代町」バス停下車、徒歩4分JR九州「吉塚」駅下車、徒歩10分
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