公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道六段審査会(愛知)

開催日:
2013年05月12日(日)
会場名:
名古屋市枇杷島スポーツセンター
受審者数 合格者数 合格率 形再受審
1,347 279 20.7% 7

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審査員の寸評(実技)

 毎回、厳粛な中にも粛々と行われる審査会。自らの剣道の質の向上を目指して、この地名古屋に六段1347名、七段1152名の受審者が集い、真剣に実施された審査の所感を述べさせていただきます。

 まず、全般的に、絶対的な稽古の数の不足を感じました。その弊害として、気迫が伝わってこない、小手先の技になっている、打突の機会を捉えていない、捨て切っていない、といったことが強く感じられました。

 稽古の中に全てが含まれていることを、第一にご認識いただきたいと思います。平素の稽古の心構え二点を申し上げ、この度、残念ながら合格できなかった受審者の皆様にご参考としていただければ幸いに思います。

一、「土台造り」の稽古に励む
 小手先の、当れば良しとする剣道ではなく、正しい姿勢、正しい構えから、遠間で気を充実させて、気で勝って、攻め乗って、機を捉えて、捨てて打ち、残心の備わった理に適った一本が繰り出せるように、普段から大技の打ち込み、切り返し、掛かり稽古を、年齢に見合った量の稽古で継続していただきたいと思います。構えを見れば、その人の打突内容は容易に想像できます。特に、右肘の柔軟さについて更なる工夫をお願いします。

二、「捨て切る」稽古に励む
 短い時間内に早く一本良い打ちを出したい、誰しも考えることです。まず、その欲を捨て「欲心なき先の気位」で相手と対峙することが好結果に繋がります。結果を懼れない無欲の立合に終始していただきたいと思います。剣道は出発点が捨て身、到達点が相打ちと言われる所以であります。

むすびに
 「初太刀を大事にする」の教えは、初太刀一本取ったから良し、とするのではなく、初太刀一本、初太刀一本という気持ちで稽古内容を充実させなさい、という教えであると思います。

 普段の稽古を、全神経、全気力、全精力を一本に集中して稽古に励む、これが昇段への近道であると考えます。不十分な技の連続では上達は望めません。「功の成るは、成る日に、成るに非ず」です。

 皆様の、今後一層のご精進をお願いして寸評に代えさせていただきます。

近  光正

審査員の寸評(剣道形)

 今回、名古屋における審査会にて、多くの合格者が生まれました。皆様の日頃のご精進振りが窺われ、大変嬉しく、心からお祝い申し上げます。特に、女性の受審者(七段7名、六段27名)、若手剣士の剣道形は、良く稽古されており、立派でありました。

 残念ながら七、六段とも、若干名の不合格がでましたが、結果発表のあと、数名の不合格者からご自分の不合格の理由の説明を求められ、ご自身が、間違った剣道形を稽古されており、ご自分で間違いを理解されていないことに驚きました。剣道形を正しく理解し、稽古されますよう希望します。

 『日本剣道形解説書』を、趣旨から形指導上の留意点、審査上の着眼点までを再読され、師に学び、講習会に参加され、剣の理法を体得されますよう、お願いします。

 特に、全般的に留意して稽古していただきたい課題を記します。
一、五つの構え、小太刀半身の構を正しくする。
二、打太刀、仕太刀とも、打突部位を正確に打突する。
三、小太刀二本目、仕太刀は、刃先を後ろにし、右鎬で受け流して面を打つ(鎬の使い方)正しくする。
四、仕太刀は十分な残心を示すこと、打太刀は仕太刀の残心を見届けること。

 等々、合格された皆様も益々の稽古をなされますよう、お願い致します。

井上 茂明
*この記事は、月刊「剣窓」2013年7月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道六段審査会(愛知)
開催日
2013年05月12日(日)
会場名
名古屋市枇杷島スポーツセンター
〒451-0053 愛知県名古屋市西区枇杷島1-1-2
(1)名鉄 名古屋本線 栄生駅又は東枇杷島駅下車 徒歩7分(2)市バス (名古屋駅) レモンホーム10番のりば発 4系統循環 レモンホーム11番のりば発 117系統循環 枇杷島スポーツセンター下車
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