
審査会
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剣道七段審査会(宮城)
- 開催日:
- 2025年08月30日(土)
- 会場名:
- 本山製作所青葉アリーナ(青葉体育館)
審査会結果
審査員の寸評(実技)
宮城県仙台市の本山製作所青葉アリーナ(青葉体育館)において、8月30日(土)に七段、31日(日)に六段の段位審査会が実施されました。当日は、実技審査員を務めましたので、その立場で所感を述べさせていただきます。2日間を通じて総合的に良かった点は、礼法・着装・所作・立ち姿や構え等で、概ね高段位受審者としての自覚や意気込みを感じました。これらの内容は審査の合否にかかわらず、剣道に取り組む立場の者として今後も継続して欲しいと思います。
審査は限られた時間の中で、いかに自分自身の剣道を発揮し表現できるかという点が大きなポイントです。したがって、「一方通行」的な剣道や自分勝手な内容であってはいけません。剣道の教えの一つとして「懸待一致」があります。「懸」とは相手を攻めたり打ちかかることで攻撃を表し、「待」とは相手の動きを冷静に見極め、相手の出方を待つことで防御を表しています。本来攻撃と防御は表裏一体をなすものであり、攻撃中でも相手の反撃に備える気持ちと体勢を失わず、防御にまわっている時でも常に攻撃する気持ちでいることを教えています。これらの内容を土台にしながら、今一度与えられた審査の時間内に相手とどのようなやり取りをしているか?または技の組み立てはどうなのか?等を考えて欲しいと思います。
次に打突については、大変良い機会に技が出ていても踏み込みが足りない、身体と竹刀の操作が一体になっていない、打突の強度が足りない等々、非常に残念な場面が多々ありました。その結果不合格になった受審者の皆様は、再度基本的な内容を確認していただき、竹刀と身体が一体となり「一拍子の打突」に加え、ただ「打つ」だけではなく「打ちきる」技術を自得していただければ、必ずや次への段階につながるものと確信します。
今回の審査においては全般的に合格率が高く、これまでの修錬の成果が大いに発揮されたものと受け止めます。しかしながら今後の課題としては、現状に満足することなく「継続は力なり」の教えをもって努力し取り組んでいかなければなりません。
終わりに、皆様の益々のご精進を心からお祈り申し上げます。
審査員の寸評(剣道形)
形審査を突破された皆様、日頃の修錬のたまものと敬意を表します。これからは高段者として、指導的立場に立つ人として、当然形に対する実践力、指導力が問われることになります。その為にも是非「日本剣道形審査上の着眼点」に精通の上、自他の評価への指針とすべく研鑽に励んでください。
さて今般の審査の内容は大方良好とは申せ、今後一層の形修錬の必要性を強く感じました。このことについて今回担当した審査員のご指摘を含め留意すべき点を申し述べますので、今後の形修錬に活かしていただきたいと思います。
一、「作法の厳格化」
礼法、所作、刀の取り扱い等、全般について再確認していただきたい。
二、「形の理合の熟知」
形成立の根本は、双方が打突部で打突部位を正確に打突する(空を切る形式的な動きに終始しない)ことでその為には間合や打突後の残心、その見極めまで、理に適った動きを身に付けていただきたい。
三、「太刀の形」
打太刀の「機を見て」発動する正確な打突が、はじめて双方の「萎やし」や「切り結び」、「支える」などの動きが理に適った(交刃での高さ等)次の動きや技に繋がることを確認していただきたい。
四、「小太刀の形」
「入り身にならんとするところ」、「左、右鎬の遣い方」、「体さばき」、「すり上げ、すり落とし、すり流し、すり込み」の一連の流れるような動きなどを身に付けていただきたい。
以上細部については割愛します。
古くから「斯道の練習法三様あり、第一形の練習、第二仕合、第三打込稽古、是なり」と形修錬の重要性を説いています。今日一部の風潮であるが、昇段審査の為の形修錬で終わることなく、剣道の原点である剣の理法の探求のため継続的な学びとして取り組むことを願いながら、寸評とさせていただきます。
行事概要
- 行事名
- 剣道七段審査会(宮城)
- 開催日
- 2025年08月30日(土)
- 会場名
-
本山製作所青葉アリーナ(青葉体育館)
〒981-0912 宮城県仙台市青葉区堤町1-1-5
仙台市営地下鉄北仙台駅から徒歩約5分