公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

更新

剣道八段審査会(東京)2日目

開催日:
2017年11月30日(木)
会場名:
日本武道館
受審者数 合格者数 合格率 形再受審
977 7 0.7% 0

合格者氏名一覧
年度別、審査会結果一覧はこちら

審査員の寸評(実技)

 2日間にわたる審査の結果、初日に5名、2日目に7名、計12名の合格者を出して終了しました。筆者が担当した一次(第1会場)・二次・形の審査での、ごく限られた範囲ではありますが、受審者の披露した実技内容についての感想を概略記します。

 ①46歳からの若手群の立合いにしては構え・間合等に申分がありませんが、攻防に勢いが感じられません。心技共に完成された老大家の模倣は大切ですが、世阿弥の言う「年来稽古の条々」の如く、年齢相応の立合いの工夫が望まれます。②攻防に「気の攻め、気の攻め返し」が感じられません。従来、剣道では「合気」の稽古を重視してきました。剣先を通しての激しい気のせめぎ合いと、緊張の中から繰り出される一本の打突に剣道の醍醐味があるのです。その修練法として、所謂、「地稽古」が重視されてきました。今日では如何に相手の「気を外すか」が稽古の重要課題になっており、偏った「歩合稽古・試合稽古」が中心です。散見する剣先の攻防等は形式的なもので、剣先を通しての攻め合いが打突に繋がっていないのが大多数です。日常の稽古の在り方に一考を要します。

 なお、形の審査において1名の不合格者が出たのは残念でした。

 今回の合格者は勿論のこと、受審者全てが剣道界の高段者・指導の立場にあります。これからの剣道の在り方を考える上で、初心者指導の観点、稽古の在り方、そして初段からの昇段審査の審査員としての観点を改めて問い直すことを期待し、念願するものです。

佐藤 成明
*この記事は、月刊「剣窓」2018年1月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道八段審査会(東京)2日目
開催日
2017年11月30日(木)
会場名
日本武道館
〒102-8321 東京都千代田区北の丸公園2-3
東京メトロ東西線・半蔵門線・都営新宿線九段下駅2番出口 徒歩5分*九段下駅混雑時は、1番出口をご利用下さい。
お知らせをシェア

過去の審査会

関連する審査会