公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道八段審査会(東京)2日目

開催日:
2012年11月29日(木)
会場名:
東京武道館
受審者数 合格者数 合格率 形再受審
888 4 0.5% 0

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審査員の寸評(実技)

 今回の結果は、八段審査始まって以来とも言える程厳しい合格率でした。この難関を突破出来なかった方々に共通している点は、一本一本の技が「有効打突の条件」に合致していなかったことです。

 まず、「充実した気勢」が見受けられません。構えた姿に相手を覆い尽くす程の気の勢いが感じられず、そのため風格にも乏しく、所謂、棒立ちの姿から、動じてもいない相手に技を出していました。それも速く打たんがために、手で押し出すような技が目立ちました。また、「刃筋正しく打つ」とは、文字通り〝打つ・突く〟という動作であり、〝当てる〟のではありません。

 相手の構えを真っ二つに打ち破り抜けるという姿が欲しいのです。それと「懸待一致」を考えた剣道を心掛けていただきたい。打ち放し、受け放しではなく、受ける刀が攻めに、攻めた刀が防禦にと、自在に対応出来ることも、最高位の八段には当然求められる姿なのです。

 そのためには、普段から一本を大切に集中した稽古のあり方、礼法に則った所作を心掛けることで、自然と品位・風格は備わって来るものです。更なる御精進を祈念しております。

宮川 英俊

審査員の寸評(剣道形)

 大正元年10月、各流派の象徴としての剣道形が制定され、今年で100年を迎えました。制定当時、主査5名のうちの1名であった内藤高治先生は、形について「元来、形の必要なる所以は、体を整え、気合、呼吸、着眼、間合、足踏み、手の内、刀先、刃筋等の理を知覚せしめるのが根本である」と述べています。

 今回、実技審査合格者9名の形審査に当り所感として、形合わせのない状態からという前提に立っていいますと、間合感覚(距離感)に鋭敏であるはずの剣道が、形に関しては鈍くなっているように感じました。形の制約を超越した真剣味においても錬度不足は否めません。形制定時の精神を重視し、積極的な修錬を希望します。

 八段とは剣道界を正しく発展させる資格を付与されたということです。大きな名誉には大きな責任があることを銘記され、一層のご精進を期待する次第です。

島野 大洋
*この記事は、月刊「剣窓」2013年1月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道八段審査会(東京)2日目
開催日
2012年11月29日(木)
会場名
東京武道館
〒120-0005 東京都足立区綾瀬3-20-1
東京メトロ千代田線「綾瀬駅」下車 徒歩5分
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