公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道七段審査会(東京)2日目

開催日:
2020年11月25日(水)
会場名:
東京武道館

審査会結果

受審者数 合格者数 合格率 再受審者数
404 92 22.8% 0

合格者氏名一覧

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審査員の寸評(実技)

 コロナ禍で稽古もままならぬ状況下、昇段を目指し挑戦をして頂きました。見事合格された方は一つの段階をクリアした訳ですが「修業の道にゴールなし」と言われます。これからも精進を重ね更なる高みを目指して頂きたい。残念乍ら不合格だった方は、素直に今回の立ち合いを振り返り、課題を掘り起こして、必ずや次回はリベンジして頂きたいと思います。

 審査で感じたことを申し述べます。

一、攻め 剣道は相手を攻め上げ攻め崩して有効打突に繋げるもの、ただ勢いに任せて打突するだけではどうなのか。
一、間合 自分の打ち間をつかんでいない。攻めとも関連しますが無駄打ちを繰り返す姿が見受けられました。
一、気迫・勢い 姿や形を意識するあまり、相手を打ち破らんとする気迫、勢いが不足気味。
一、体勢 今の状況下で稽古不足が遠因か、打突する際に体勢が崩れる方が多かった。体軸を崩さず打ち切ることが有効打突の条件でもあります。
一、捌き 仕掛ける時も応じる時も何処へ身を置くのが効果的なのか、身の寄せ方、相手との距離。
一、時間の配分 短い制限時間内に自分の剣道を披露する。気負わず 力まず 空回りせず

これらが全てではありませんが常に緊張感を持ち集中して修業することが合格への近道と考えます。

コロナが終息し、一日も早く平常へ戻ることを切に願い寸評と致します。

忍足 功

審査員の寸評(剣道形)

東京で行われた審査会で剣道形を担当しました。そこで感じたことを述べます。

本年は新型コロナウイルス感染予防対策で、充分な稽古が出来なかったので、その分剣道形を行ったとの声を多くの人から聞きました。その結果と思われますが、今回は二、三名の不合格者は出たものの全体としては以前より動作が確実となり発声も大きく気迫が感じられました。実技も昨年と変わらない合格率であったことは形の効果と思われます。

高段者・指導者は、形の動作のみを覚えて良しとしないで、各動作の理を知り理合に則った形を修錬することが求められます。

次に動作の理について述べますので修錬の参考となれば幸いです。

  • 形は真剣勝負から成り立っています。使用する木刀は日本刀の代用であることをまず認 識し、実施中は最初から終りまで充実した気迫をもって行うこと。
  • 構え方 大きく息を吸いながら丹田に力を込めて構える。
  • 目付け 相手の目を見て全体を見る。目付けを離さないとは相手の顔に自分の顔を正対させること。
  • 間合に進む 先の気位をもって摺り足で進む。
  • 間合 一足一刀の間合に接するや充実した気位をもって先を取り合う気争いを行う。
  • 打突の機会 機を見てとは仕太刀が十分気が満ちたところである。
  • 打突 打つは「切る」の意である。反動をつけず刃筋正しく一刀両断にする心持ちで打ちおろす。仕太刀は一寸の見切りをもって体捌きを伴って応じ、一拍子で物打ちで打突 部位を打つ。
  • 振りかぶり 両腕の間から相手の体が見える程度で剣先の高さは両こぶしから下がらない。
  • 発声 打突の際は丹田から気力を込めて大きく鋭い発声をする。
  • 足の引きつけ 打突したときは必ず後足を前足に引きつける。
  • 残心 打突後は気をゆるめず、縁を切らずに充分な気位をもって圧しつつ残心を示す。
  • 呼吸法 構えから残心まで一呼吸で行う。

終わりに、剣道形は竹刀剣道の基本として制定されたものです。形と竹刀剣道を車の両輪のごとく兼修されることを願うものです。

太田 忠徳
*この記事は、月刊「剣窓」2021年1月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道七段審査会(東京)2日目
開催日
2020年11月25日(水)
会場名
東京武道館
〒120-0005 東京都足立区綾瀬3-20-1
東京メトロ千代田線「綾瀬駅」下車 徒歩5分
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