公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道七段審査会(福岡)

開催日:
2017年08月26日(土)
会場名:
福岡市民体育館
受審者数 合格者数 合格率 形再受審
635 106 16.7% 3

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審査員の寸評(実技)

 福岡七・六段審査会において実技を担当致しました、所感を述べさせて頂きます。短い時間の中で、修錬の成果を充分に発揮すべく万全の準備をして挑戦された事と思います。その結果目標を達成出来た方々には、衷心よりお祝い申し上げます。

 87歳で七段に合格された福岡県の安河内政光氏には、生涯剣道を具現して頂き、特筆に値するので取り上げました。益々のご長寿・精進をお祈り致します。目標を達成出来なかった方々に助言をします。参考になれば幸いです。

 『剣道・称号段位審査実施要項』「(段位審査の方法)2、六段ないし八段の実技審査は、初段ないし五段の着眼点に加え、①理合い②風格・品位」とあります。これが受審者と審査員の共通事項・共通理解であります。
以下、簡潔に述べます。

一、着装を見れば、品が分かる

 袴は前下がり後ろ上がり。面紐の結びは、目の後ろ程度。上過ぎる(面が頭部や顔部に安定しない、外れ易い)、下過ぎる(耳と面布団の密着を解く、鼓膜損傷予防)

二、礼法を見れば、格が分かる

 礼に始まり、礼を尽くして戦い、礼に終わる。納めて、右手を腿において立ち上がる。

三、構えを見れば、品格が分かる

 左拳の位置、臍前約一握り、親指の付け根の関節を、臍の高さで正中線に置く。右自然体。親指は下に向く。刀・木刀と柄の握りは同じ、握る場所が違う。

四、初太刀を見れば、覚悟が分かる

 有効打突の要件・要素を満たした満点の一本。無理・無駄・無法・三無の剣道、理に適った、捨て身の打ちが大切です。勝負の歩合も必要ですが、当該段位相当の打突である事、打ち込み稽古を確り行ってください。

 以上、初心の内に修得してしまったと思って、頭の中にしまい込んだままの人が多いのですが、基礎に返って日頃の稽古において修錬し、剣道の理念に基づき、高い水準の剣道を目指して、広める人、高める人を求道してください。全て承知と存じますが、確認の意味で述べさせて頂き、寸評とします。

中田 琇士

審査員の寸評(剣道形)

 福岡で行われた七・六段審査会の剣道形担当者として感じた事を述べます。

 七段4名、六段9名の不合格者が出ました。剣道形は構えや順序を覚えるだけでは不十分です。日常の稽古の中で必要な所作・姿勢・呼吸・理合・技術等、全ての要素が含まれています。形に対する認識を深め、日頃から『解説書』・『講習会資料』等を熟読・理解し、体得してください。

今回特に気付いた点を述べます。

  1. 太刀の形(五つの構え)、小太刀の形(半身の構え)が不十分。特に小太刀の左手を腰にとる時、木刀の場合には親指を後ろに、四指を前にする事の理解不足。
  2. 間合(横手と一足一刀の間)の理解。
  3. 打突の時機「機を見て」「入り身になろうとするところ」を理解し、間合・緩急強弱・一拍子の打突等を心掛ける。
  4. 物打で打突部位を確実に打突していない。
  5. 打突後左足の引き付けがない。
  6. 太刀の形三本目、水月を正しく突いていない。四本目、切り結ぶ位置が高い。七本目、突きを支えた物打の交差が高い。

 これらの項目を今後の課題として更なる研鑚を重ね、それぞれの形の理合を探求して、剣道の内容を高めるよう一層の精進を期待寸評とします。

太田 友康
*この記事は、月刊「剣窓」2017年10月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道七段審査会(福岡)
開催日
2017年08月26日(土)
会場名
福岡市民体育館
〒812-0045 福岡県福岡市博多区東公園8-2
地下鉄「千代県庁口」駅下車、徒歩1分西鉄バス「千代町」バス停下車、徒歩4分JR九州「吉塚」駅下車、徒歩10分
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