公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道七段審査会(東京)

開催日:
2012年11月27日(火)
会場名:
日本武道館
受審者数 合格者数 合格率 形再受審
1,586 239 15.1% 1

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審査員の寸評(実技)

 剣道人は剣道の理念を根幹に据えて修行し、とりわけ「会心の有効打突」を求めて、日々努力精進されていることと拝察いたします。「会心の有効打突」を求めてという観点から今回の審査で特に気づいたことを申し述べてみたいと思います。

 不合格者は、「掛かり稽古タイプ」か「元立ちタイプ」に分けられます。「掛かり稽古タイプ」は、「寄らば斬るぞ!」の凛とした雰囲気が漂わず、只パーン、パーンと打つだけで無駄打ちが多くなります。逆に「元立ちタイプ」は、構え自体には風格を感じるものの、無策のまま隙が生じるのを待つだけでほとんど打突できず終いで段位に相応しい技の錬熟度を感じることができません。従ってどちらのタイプも「打突の好機」を捉えた「会心の有効打突」を放つことができていません。

 「会心の有効打突」を求めるならば、「三殺法」で攻めて崩して、「打突の好機」を捉えることが肝要です。日本剣道形太刀の形七本は、何れも「機を見て打つ」ことを教えています。よくよく吟味して稽古精進してください。また、年齢の高い方の不合格者の多くは、踏み込み足が遅れて「気剣体一致の打突」ができていないのが目につきます。足先導の素振りの工夫で「気剣体一致の打突」を体得することが可能です。試してみてください。

 最近は女性の七・六段受審者が増えてきました。女性は男性のスピードとパワーに互角に対応しても勝ち目はありません。応用技の錬熟度を高めて性徴感匂う「しなやかな剣風」を確立して欲しいものです。

 迎え突き
何するものぞ 若き剣
       (風格潜む生涯剣道)
 八段位
     何するものぞ 老の剣
       (三昧潜む生涯剣道)

寺﨑 邦朗

審査員の寸評(剣道形)

 剣道七・六段の剣道形の審査を担当しましたので、他の審査員の意見も伺い所見を述べさせていただきます。

 形には、私たちが常日頃、稽古している竹刀剣道に必要な所作、姿勢、気迫、理合、技術等、全ての要素が含まれております。七・六段は指導者であり、それぞれ段に応じた実力と風格を日頃から錬磨しておかなければならない立場であると思います。
 審査は、『日本剣道形解説書』の審査上の着眼点に基づいて審査いたしました。特に目立った点を挙げてみますと、

○打突の時機を適切に行うこと。
 太刀の形においては「機を見て」(機とは、形なきも形得て、動き初めたるしお時をいう)、小太刀の形においては「入身になろうとするところ」とありますが、打突の時機が適切であれば、段位に相応しい迫真性や、重厚性が生まれて来ると思います。
○打太刀、仕太刀とも打突部位を正確に打突すること。
○下段、脇に構えた時の剣先、構えを解いた時の剣先が高い。
○太刀の四本目の切り結びの位置が高いこと。
○小太刀のすり流しができていない。

 七・六段は立派な指導者です。師は弟子の十倍を知れといわれます。剣道発展のため、なお一層のご精進を期待いたします。

小林 三留
*この記事は、月刊「剣窓」2013年1月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道七段審査会(東京)
開催日
2012年11月27日(火)
会場名
日本武道館
〒102-8321 東京都千代田区北の丸公園2-3
東京メトロ東西線・半蔵門線・都営新宿線九段下駅2番出口 徒歩5分*九段下駅混雑時は、1番出口をご利用下さい。
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