公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道六段審査会(東京)

開催日:
2016年11月25日(金)
会場名:
エスフォルタアリーナ八王子
受審者数 合格者数 合格率 形再受審
1,612 364 22.6% 2

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審査員の寸評(実技)

 六段東京審査会において実技審査で感じたところを述べさせていただきます。

 礼法について、着装は本より、立礼から蹲踞、構え、そして終礼まで、基本となる日本剣道形に準じた立ち居振る舞いが、竹刀操作も同様に自然とできていることが大切です。日頃の修錬の中で所作を疎かにしないようにしたいものです。

 構えについて、蹲踞から先に気位で立ち上がった時、正しく、強く、崩れない上虚下実の姿勢を基盤とした攻防一致の身構え、気構えが望ましいです。前傾の姿勢、ハの字足、左踵が床に着いた状態、右肘が伸び、竹刀の左手の握り方が悪い等が散見されました。日頃からの修錬の中で矯正すべきです。気迫不足、驚懼疑惑の心の動揺を打ち払う腹の底から自然に気合となってほとばしるような掛け声も一緒に学びたいものです。

 打突について、一本の技には、遠間、一足一刀の間、残心の三つを貫く一刀が要求されます。打突意識が強過ぎたのか、立ち上がると直ぐに交刃の間に入る、無理な技を出す、打突後の体勢が崩れる等、急ぐあまり手先打ちの傾向がありますので、「当てる」と「打つ」の違いを理解してください。剣道では、攻めて理で打つ、しかも無理無く、無駄無く、無法無しの教えがありますが、その様な剣道を心掛けたいものです。今回も女性受審者が多く喜ばしいことですが、女性受審者に一言申し上げます。男性相手に仕掛け技ばかりでは若干無理があるので、女性特有の拍子としなやかな体捌きによる理に適った返し技等を工夫することをお勧めします。

 終わりに、六段位は上級指導者として後輩指導等多くの活躍の場が期待されます。立場を自覚され、礼法、構え、打突をもう一度見直され、師と仰ぐ上位者のご指導を受けられ、また全剣連『講習会資料』等を購読参考され一層のご精進をご祈念申し上げます。

審査員の寸評(剣道形)

 東京審査における剣道形を担当しました。二、三の所見を他の審査員の評も拝し申し述べます。

  1. 打太刀仕太刀の関係

  2.  剣道形を習得するとき、まず初めに打太刀仕太刀の関係について理解するよう指導されるはずであります。しかし、今回の審査では、この関係が十分できておりませんでした。従いまして打太刀は仕太刀の残心を見届ける間もなく、仕太刀がかってに先に動作を起こしてしまいます。結果、十本の形も4、5分で終了してしまいます。「重点事項」にも「打太刀仕太刀の関係を理解し呼吸を合わせ、原則として仕太刀が打太刀より先に動作を起こさないこと」と明記しています。この関係は形習得上での基本中の基本です。今後意を新たにして取り組んでほしいものです。

  3. 打突部位を正確に打突すること等

  4.  まず打突部位はどこか、そして実際に打突部位を正確に打突しているかということについて述べます。目についたのは、 ㈠一本目、五本目の面への打突が十分に届いていない。㈡三本目の水月とはどこか、かなり高い位置を突いています。また応じ返しや返されたときの押さえも剣先が高すぎます。㈢四本目の切り結びの位置も高い。㈣七本目の気当りの交差したときの剣先が天井を向いている。等々が見られ、正しく理解していると思いますが、実際にはできていないということです。「重点事項」にも「打突部で打突部位を正確に打突すること」とあります。心してほしいものです。

  5. 剣道形への取り組み

  6.  (一)よりよく形を学ぶには、指導者またはよき先輩の指導を受けるべきです。自分はできていると思っても、なかなかできていないのが剣道形です。
     (二)木刀は竹刀より短く、かつ、反りがあります。これを十分理解したいものです。先に述べました「届いていない」「位置が高い」というのもその一因からもしれません。今後のますますのご精進を期待致します。

西出 功
*この記事は、月刊「剣窓」2017年1月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道六段審査会(東京)
開催日
2016年11月25日(金)
会場名
エスフォルタアリーナ八王子
〒193-0941 東京都八王子市狭間町1453-1
京王高尾線「狭間駅」下車、徒歩5分
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