公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道六段審査会(愛知)

開催日:
2016年11月13日(日)
会場名:
名古屋市枇杷島スポーツセンター
受審者数 合格者数 合格率 形再受審
1,198 249 20.8% 4

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審査員の寸評(実技)

 名古屋で行われました審査会の所見を述べさせていただきます。実技審査は、基本を踏まえた上での当該段位相当の実力・錬度・理合・風格・品位等を総合的に見て合否を判断します。私は七段・六段両日とも第一会場を担当致しました。

 まず、全体的に感じましたことは、姿勢・構え・着装が洗練され立派なってきたと思いました。反面、理に則した打突少なく、無駄打ちの多い立合いが散見されました。なぜ無駄打ちが多くなり有効打突に繋がらないのでしょうか。特に感じた点を三項目あげました。

  1. 「打突の好機について」

  2.  勝負の歩合を争うことよりも、先を取って打突の好機を創ることが重要です。隙でも無い所を自分勝手に打突している。「当てる・打つ」の違いを再認識していただきたいと思います。

  3. 「溜について」

  4.  遠間での攻防をせずに、立ち上がると直ぐに一足一刀の間合に入るので、「溜」が無く手打ちになりやすく、審査員の心に響く打突へ繋がりません。相手と対戦し優劣を決めるには、「溜」を創り、位取りして水準の高い剣道を修錬する心構えが大切です。

  5. 「乗った姿勢について」

  6.  懸中待・待中懸の言葉のように、懸かる中に待つ、待つ中に懸かるためには、どのような攻防の状態でも間境に入ると同時に、居着かず直ぐさま打突できる体勢が肝要だと思います。そのためには、乗って腰で打つ基本を工夫されたらどうでしょうか。

     僭越ですが、ご参考になればと思い気付いた点を述べさせていただきました。皆様の更なるご精進をご祈念申し上げ寸評に代えさせていただきます。

    石塚 美文

    審査員の寸評(剣道形)

     今回剣道七・六段審査会(剣道形)は、島野大洋・勝股俊彦両範士と共に審査を担当しました。昇段審査会での剣道形審査も数多く担当を致して参りましたが、剣道段位の六段以上は立派な高段者です。剣道形を正しく身につけ次世代に正しく継承し伝える立場であることを常に自覚していただきたいと思っております。これまで多くの審査担当の諸先生方の寸評内容に尽きると思いますが、審査終了後担当審査員にて意見交換を致し全員の意見を踏まえ、今後特に参考としていただきたい注意点を纏めておきます。

    • 基本となる礼の仕方・所作を正しく身につける。

    •  木刀「大・小」の正しい持ち方・置き方・座礼の際の立居振舞い。剣道形小立の木刀と刃引きで行う場合の左手の置き方の違いを正しく身につける。

    • 理合を学び身につける。

    •  打太刀は師の位であり、仕太刀は弟子の位であることを正しく理解する。師匠(先生)の立場にある打太刀は、弟子に勝つところを教える立場であるため、仕太刀の動作をよく見てしっかりと機を捉えて動作を起こし、弟子に打突する機会を会得させる。

    • 正確な打突部位を打突する。

    •  正しい打突部位を捉えられず、浅過ぎ深過ぎる部位を打突する人は、間合の取り方に問題点があるため、間合の取り方を更に研究することを薦めます。

    • 足さばきを今一度見直したい。

    •  実技に際し、木刀さばきや形の順序などに捉われ、とかく足の運用、特に左足の引き付けなどが疎かになりがちです。足さばきを意識し研究することで一層形が大きく引き締まった立派な剣道形になることと思います。

     剣道修業は(剣道形・稽古・試合)の三本柱から成り立ち、万遍なく修業されることが理想方法と思っております。通常の稽古時間帯に上手に取り入れ実践稽古を重ねることをお薦め致す次第です。益々ご精進下さい。

    矢野 博志
    *この記事は、月刊「剣窓」2017年月1号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道六段審査会(愛知)
開催日
2016年11月13日(日)
会場名
名古屋市枇杷島スポーツセンター
〒451-0053 愛知県名古屋市西区枇杷島1-1-2
(1)名鉄 名古屋本線 栄生駅又は東枇杷島駅下車 徒歩7分(2)市バス (名古屋駅) レモンホーム10番のりば発 4系統循環 レモンホーム11番のりば発 117系統循環 枇杷島スポーツセンター下車
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