公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道六段審査会(富山)

開催日:
2016年08月21日(日)
会場名:
富山市総合体育館
受審者数 合格者数 合格率 形再受審
760 128 16.8% 8

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審査員の寸評(実技)

 過去5年間の審査結果を調べてみますと、七段合格者は15%前後の数値です。さらに六段は20%前後の数値を示しています。この数字が多いとみるか少ないとみるかは意見のわかれるところではありますが……。当然のことながら審査員の着眼点の中にこの合格率にとらわれる判断はありません。あくまでも受審者の演じる姿勢・態度・理合・技倆・品位等を総合的に評価することになります。つまり受審者一人ひとりの力が段位にふさわしい剣風・実力を兼ね備えているかどうかを判断しての絶対評価となる訳ですから、毎回の審査でこの合格率は変動することになります。

 さて今回残念ながら思いがかなわず不合格となられた方々に対し、審査員の一人として感じたことを述べてみたいと思います。

「合気」のつもりで立ち向かう稽古を続けて欲しい!

 自分勝手に打つことだけにとらわれて自由自在な竹刀さばきで自己満足に浸っている人を見かけますが、こんな稽古を続けていても「勝ちに不思議の勝ち」を得ることはできません。剣道の魅力は相手の存在を認めることから総てが始まる、とも言われています。打突を出すまでに相手と「合気」になったつもり
で気持ち(心)のやりとりをしてみてください。必ずや、相手の気持ち(心)の変化が見えてくるようになる筈です。日本剣道形での教えに「機を見て」の「機」とは打つべき機会ということであり、相手の「心」と「体」と「術」の変わり際におこる「きざし」とあります。

 相手と対峙できる瞬間を楽しみ、一瞬静から動への変化の中で、打つべき機会を捉えた有効打突こそ高段者としての必須条件ではないでしょうか。そのきっかけを作ることができるのが、「合気」のつもりで立ち向かう稽古を心掛けることになると思われます。今後修錬の参考になれば幸いです。

藤原 崇郎

審査員の寸評(剣道形)

 このたび富山県で実施された七・六段審査会で形の審査を担当しました。他の審査員のご意見・ご指摘を含めて感想を申し上げます。

形をなぜやるのか?
 形に含まれる日本剣道の精粋はもとより、毎年審査のたびに剣道形寸評等で指摘されている内容を実践していません。これは形の重要性を理解することなく、競技剣道・勝負剣道・勝利至上主義に流されているためです。
 形の重要性というのは、形に含まれる命のやりとり・真剣勝負の場(命がけの場)を再考することで身心を錬磨していくところにあります。すなわち、日本の伝統文化として継承されてきた剣道の、その奥深い内容が形にあることを意識して修錬してください。七・・六段にふさわしい迫真性・重厚さ・風格のある剣道を継承・創造してこそ、理に適った位の剣道、美しく魅力ある剣道につながると思います。

 他の審査員の指摘も含めて特に目立った内容としては、

  • 間合をよく理解する
  • 機とみる間
  • 入身での理合を特に注意して身につけて下さい。
加藤 浩二
*この記事は、月刊「剣窓」2016年10月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道六段審査会(富山)
開催日
2016年08月21日(日)
会場名
富山市総合体育館
〒930-0805 富山県富山市湊入船町12-1
JR富山駅北口より徒歩5分
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