
図書
『令和版剣道百家箴』
「一源三流」
剣道範士 小高 終八郎(北海道)
この度、全日本剣道連盟および北海道剣道連盟が、昭和27年創立以来70余年を迎えたことは、先達の諸先輩方が、幾多の困難に立ち向かい、それを克服したことによるものと、深く感謝申し上げます。
さて、私は昭和32年に、自衛官として渡道して、北海道段別選手権四段の部で優勝し、以来約60年、北海道剣道人生が始まりました。お陰様で約70年楽しく剣道をやっています。
私の座右の銘
剣道の修行において多くの理論がありますが、全剣連初代会長である木村篤太郎先生のお言葉に、「一源三流」の教えがあります。
私はこの教えを「座右の銘」にしています。
曰く
一、国の為に血を流す
二、家の為に汗を流す
三、友の為に涙を流す
一源とは全ての人が持っている「誠の心」を表しております。三流とは誠の心の中に三つの流れがあると言われており、
一、すべての人は自分の国を愛す。即ち愛国心を表しております。
二、家の為に汗を流すとは、自分の為また家族の幸せを築くために汗を流す。即ち勤労の精神を表しております。
三、友の為に涙を流す。良いこと、楽しいことが、それを分かち合い、また友に悪いことがあれば慰め励まし合う。即ち友情の精神を表しております。
私も剣道を始めて、70年になります。剣道の魅力にとりつかれ北海道に渡って、昭和の屯田兵になって早70年、これから微力ながら私の座右の銘に習い、残りの人生を剣道の振興・発展のために奉げて参りたいと思います。(受付日:令和6年7月31日)
*『令和版剣道百家箴』は、2025年1月より、全剣連ホームページに掲載しております。詳しくは「はじめに」をご覧ください。