公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道七段審査会(京都)

開催日:
2021年04月30日(金)
会場名:
京都市体育館

審査会結果

受審者数 合格者数 合格率 再受審者数
378 95 25.1% 0

合格者氏名一覧

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審査員の寸評(実技)

 恒例の京都審査会が、新型コロナウイルスの感染防止対策に万全を期して実施されました。合格されました皆様に心よりお祝い申し上げます。高段者として更なる修錬を積まれるよう期待しております。

さて、審査(実技)について所感を申し上げます。今回残念ながら思いが叶わず、次回に捲土重来を期される皆様の参考となれば幸いです。

 打とうとする意識が強過ぎて、攻め合いもなく、直ぐに無理な打ちを出し、打突後の体勢が崩れる等、まとまりのないまま終了する受審者が見受けられました。

 審査では有効打突もさることながら、技を出す過程が理に適っているか、否かが問われます。「攻めて理で打つ」という教えがあります。蹲踞から立ち上がり、「触刃の間」で充実した気勢で先を取り、「交刃の間」(自分の打ち間)に攻め入り、打突の機会をつくることが重要です。攻め勝って、乗って、崩して、迷いのない思い切った技(捨て身の技)を出すことです。

 加えて、六・七段の打突は、気剣体の一致した「強度」と「冴え」・のある打ちが求められます。左足、・左腰、左拳の定まっている構えをつくり、「一拍子」の鋭い打突を心がけてください。構えができると、激しい動きの中でも体幹が安定し、相手の攻めや打突に対しても崩れないし、「風格・品位」が具わってきます。今一度、自分の構えを確認してください。

 今回も多くの女性が受審されました。合格されました女性は、「仕かけ技」ばかりではなく、理に適った「冴え」のある「応じ技」が決まっていました。「しなやかな身のこなし」による見事な立合いが随所に見られ、女性剣道のレベルの高さを感じました。

 審査は自分の剣道を見直す絶好の機会です。高い水準の剣道を目指し、皆様の更なるご精武を祈念致します。

松田 勇人

審査員の寸評(剣道形)

京都における剣道形の審査について所見を述べます。

 コロナ禍で、稽古が制約される情勢の中で形受審者全員が合格しました。結果を数字だけで見れば立派だと言えるかも知れませんが、他の審査員のご指摘からも内容をよくよく吟味すれば、問題が多く見受けられました。


1 構えについて

 太刀五つの構えと、小太刀半身の構えが正しく出来ていない。特に太刀における下段・中段・脇構え・八相・小太刀における半身が適切でない。正しい技は、正しい構えから発想します。正しい構えを習得するよう心掛けて下さい。

2 技について
⑴打つ際、剣先が後方に下がる振りかぶりが多く見受ける。
⑵打突の際、足音を立てる。(散・見)
⑶打太刀は、定められた打突部位を正確に打突し、仕太刀は、打太刀の打突に従って打突部位を正確に打突する。これが十分に理解されていないので、迫真性に欠ける。
⑷太刀の形で、打太刀は「機を見て」小太刀は「入身になろうとするところ」という打突の時機が十分に理解されていない。
⑸打太刀は、仕太刀が十分に残心を示した後、動作を始めなければならないのに、残心を確かめず動
作をするので、形に重厚性がない。
⑹打・仕太刀ともに、一足一刀の間合が十分に理解されてなく、木刀の物打ちでの打突に欠けている。

3 まとめ

 剣道七・六段は指導者ですから、指導者として正しい示範が出来るとともに、剣道形の理合を理解し、習技者に説明出来ることが大切である。そのためには、形の修業は「しかるべき指導者」の指導を受けることが肝心です。『日本剣道形解説書』『剣道講習会資料』を再度熟読して再吟味を願います。

 ご昇段を契機に一層の修錬を念願する次第です。

島野 大洋
*この記事は、月刊「剣窓」2021年6月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道七段審査会(京都)
開催日
2021年04月30日(金)
会場名
京都市体育館
〒615-0864 京都市右京区西京極新明町1
阪急電鉄「西京極駅」下車 約150メートル 市バス「西京極運動公園前」下車 徒歩1分
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