公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道六段審査会(福岡)

開催日:
2019年08月25日(日)
会場名:
福岡市民体育館

審査会結果

受審者数 合格者数 合格率 形再受審
669 161 24.1% 3

合格者氏名一覧
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審査員の寸評(実技)

 このたび福岡で行われました審査は、七段18.6%、六段25.1%、という実技合格率となりました。この結果は受審者の日頃の修錬の賜物と思います。また、残念な結果となった方々に対し、今回、第1会場を担当した所見を述べさせていただきます。

 七・六段審査には、「剣道称号・段位審査規則・細則」に明記されている中で特に「理合、風格・品位」といったより高度な技倆が求められます。

 審査において、礼法、姿勢、構えは立派でありましたが、着装については、面紐、胴紐が審査中にほどける受審者が散見されました。事前の準備点検を万全にして審査に臨んでほしいです。

 特に気をつけるのは、蹲踞から立ち上がり、気で攻めて、崩し、理に適った捨て身の打ちを出すことであります。限られた時間内で、いかに審査員の心に響く打ちができるか、また、今まで修錬した自分の剣道が最高に表現できるかが一つの鍵になります。

 全般的には、蹲踞から立ち上がり触刃の間から交刃の間までの、気の攻め合いがないままに、早打ちが目立ち、有効打突につながらない無駄打ちが多く見受けられました。触刃、交刃の間合から剣先の攻防、気の攻防において相手に攻め勝ち、常に気力の充実を図り、打突の機会を捉えて、一足一刀の間合から「捨て身の一本」に全力を尽くし、「気剣体一致の打突」を心がけていただきたいと思います。

 そして、正しい姿勢からの間合で気力を充実させ、気による攻め合い、攻め勝って打ちきる攻めの攻防が大切です。これは、平素の稽古において常に意識して理合の稽古を積み重ねることが肝要であると思います。その中で心を練って少々の攻めにも動揺しない心を作ることです。

 今まで、「剣窓」に記載された多くの先生方の寸評を参考にして努力されれば、審査員の心を打つ剣道になるはずです。さらなる精進を期待します。

清水 新二

審査員の寸評(剣道形)

 8月24、25日の両日、福岡県で開催された剣道七段及び六段の審査会において日本剣道形の審査を担当しましたので、その所感を述べます。

 形がなぜ審査科目に含まれるのか。その重要性についてはこれまで審査のたびに剣道形寸評で指摘されています。それは「刀法の原理」「攻防の理合」「作法の規範」を修錬することにあるからだと思います。

 剣道の稽古は、竹刀を持っての修錬に重きを置き、形の稽古は疎かにされがちです。竹刀稽古と形稽古を車の両輪として修錬することによって形は生きてくるし、拓けてくるものと考えられます。形の意義は正にここにあると言えるのではないでしょうか。

 これまで多くの形審査員の寸評を拝見しますと「形稽古の修錬不足」を上げています。形は構えや順序を覚えるだけでは不十分で、日常の稽古の中で剣道上達に必要な所作、姿勢、呼吸、理合、技術等多くの要素が含まれていると思いますので、形稽古を真剣に修錬することが重要です。

 「日本剣道形解説書」には、審査上の着眼点として、10項目示されています。どれも大事な項目ばかりですが、中でも

  1. 立会前後の作法、立会の所作が軽んじられています。
  2. 五つの構えでは、中段、上段、下段の構えは良いが、八相、脇構えは正しい構えになっていない。
  3. 終始充実した気勢、気迫で合気で行っているか。
  4. 打太刀、仕太刀の関係を理解しているか。
  5. 太刀の形の「機を見て」小太刀の形の「入身になろうとするところ」の打突の時機は適切か。
  6. 各本毎の理合を熟知し、技に応じた打突の度合いや緩急強弱を心得て一拍子で行っているか。

 以上の点については、毎回寸評で指摘されているところですが、なかなか修正されません。今回もまた同じ点が指摘されました。

 よくよく吟味すべしと思います。

後藤 清光
*この記事は、月刊「剣窓」2019年10月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道六段審査会(福岡)
開催日
2019年08月25日(日)
会場名
福岡市民体育館
〒812-0045 福岡県福岡市博多区東公園8-2
地下鉄「千代県庁口」駅下車、徒歩1分/西鉄バス「千代町」バス停下車、徒歩4分/JR九州「吉塚」駅下車、徒歩10分
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