さて、全日本剣道連盟杖道（解説）が昨年４月に修正され現在まで１年が経過しました。今審査会では、全般的に修正点を意識した演武をされており、全日本剣道連盟杖道への理解が進んでいることを感じました。

　その上で、若い番号の受審者にあっては、力や速さに頼り、技は小さく勢いに任せた独りよがりの演武が散見されました。相手をしっかりと見る・観ること、そして「間」を意識し気杖体の一致した演武を心掛けてください。

　一方、後半の受審者にあっては、見るものを引き込むような気迫のこもった演武が少なかったのは残念でした。形武道であるからこそ形を合わせるのでは無く、気と気がぶつかり合うような攻防一致の気構え・身構えを持った演武を期待いたします。

　最後になりましたが、合格された方には心からお祝い申し上げます。一層の高みを目指して修錬を積まれ、杖道の普及振興を担っていただくことを切望いたします。また、及ばなかった方は、あらゆる機会を捉えて己の技を見つめ直しさらなる修錬を重ね、捲土重来を期されることを期待し寸評といたします。後に生かしていただきたい。