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2022年度 剣道における熱中症への取り組み 中間報告(6月30日まで)

 2022年4月末より開始された「剣道における熱中症報告 報告フォーム」によるオンライン報告システムにつき、6月30日時点での概要と考察をご報告いたします。

【報告件数】5件

【重症度内訳】(注:重症度の申告は会員の判断による)

【性別】

【年代】

【発生時の温度】


【発生時のエアコンの使用】

【発生時の換気の実施】

【マスクの使用】

【概要】

  • 6月末までに5件の熱中症発生報告があった。
  • 熱中症の重症度はⅡ度が5例中4例(80%)と昨年(67%)、一昨年(59%)より多かった。
  • 発症年齢は小学生4例、中学生1例と若年者に多く見られた。
  • 5件中2件(40%)は気温が31℃以上の環境での稽古であり、昨年(33%)、一昨年(9%)の報告に比べ高い傾向にあった。
  • 24℃以下で発生した熱中症はそれぞれ5月25日、6月10日と早い時期に生じていた。
  • 気温が24℃以下の1件および不明の1件においては、高湿・無風で風が入ってこない状態であったとの記載が見られた。
  • WBGT計についての回答は2件(40%)であった。
  • 全例で、換気は行われていたものの、エアコンは不使用であった。
  • 全例でマスク・口元タイプのフェイスシールドを着用しており、不織布マスク着用者はいなかった。

【考察】

  • 現状の報告においては、熱中症の重症度は昨年より高い傾向があり、昨年より熱中症が起こりやすい環境であると思われる。
  • 小学生、中学生などの体温調節能力の低い年齢が多い傾向がみられた。この年代の剣道実施にあたっては、涼しい場所でのこまめな休憩を入れる等指導者に細心の注意をお願いしたい。
  • 報告のうち、6月中旬以前に比較的低い気温で2件の熱中症が生じており、稽古前の暑熱順化(※1)が不十分であった可能性がある。
  • また、2件は熱中症予防のための運動指針(※2)の「厳重警戒」レベル以上の環境で稽古を行っており、マスク着用の有無にかかわらず稽古をすべき環境ではなかった可能性がある。
  • 高温環境でない例においても無風・高湿の報告があった。熱中症の防止には温度、湿度の両方の測定が必要である。一昨年来、連盟として、暑さ指数(WGBT)計の使用を推奨してきており、道場・体育館への設置を一層お願いしたい。
  • 全例でエアコン(空調)が使用されていなかった。特に暑熱順化が十分でない状況下、高温である時においては、できればエアコンを使用することが望ましい。
  • エアコンのない施設においては、設置の検討をすることが望ましい。
  • 以上より、剣道指導者は暑熱順化の必要性、稽古時間と量の再考などを検討することが求められる。

    ※1 暑熱順化
    ※2 日本スポーツ協会「熱中症予防のための運動指針

    ご協力のお願い

     なお、剣道の稽古や活動内で、熱中症が発生した場合には以下のフォームにご報告いただきますようお願い申し上げます。
    [全剣連] 剣道における熱中症 報告フォーム

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