公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道七段審査会(新潟)

開催日:
2023年08月05日(土)
会場名:
新潟県立武道館(謙信公武道館)

審査会結果

受審者数 合格者数 合格率 再受審者数
680 154 22.6% 0

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審査員の寸評(実技)

 令和5年8月5日〜6日に新潟県上越市「謙信公武道館」で開催された、七段・六段審査会で実技審査員を務めさせて頂きましたので、所感を述べさせて頂きます。

 さて、二日間を通じ良かった点としては、緊張感漂う中、所作・礼法・立ち姿・構えは概ね高段受審者に相応しい姿であったと感じました。また、女性剣士の柔らかな剣捌き・体捌きが目を引き、審査に対する意識の高さを感じました。

 一方、残念な点も三点程ございました。

一、立ち上がりの気攻め、剣先の攻防、崩しのないまま初太刀を安易に仕掛けてしまい、互いに面技の応酬となっていた。
二、打突後に応じ技を打たれるのを恐れ防御姿勢となり、打ち切った打突ではなく、中途半端な打突が散見された。
三、館内に響き渡る位の気迫の籠った発声が少なかった。

 昇段審査は、短時間でこれまで修錬してきた成果を出す難しさがありますが、条件は全ての受審者が同じです。いかに立ち上がりの攻防、打突の内容、位の違いを審査員に見せるかがポイントになると思います。

◎三つのポイントと対策について

①立ち上がりの攻防は「剣先表裏一体」中心を取り相手の動きのバランスを崩し制することで、攻めの展開が有利となるよう工夫して下さい。
②相手の応じ技を恐れていては、審査員の「心に響く真の有効打突」は望めません。一旦仕掛けた技は、全勢力をそこに注ぎ込み、「打ち切る勇気」「捨て身の精神」が必要です。
③気迫の籠った発声とは、「気迫が技を生む」と考え、明らかに相手との発声の違い「気迫の違い」を示すことで、審査員にアピールできます。日頃の稽古で発声が技にもたらす効果がいかに多大であるかということを、稽古を通じて実感してください。

 また、今回の審査会では、上段・二刀の受審者が多く感じました。上段・二刀の受審者の皆様は中段との稽古は豊富であり、中段の受審者は日頃の稽古で上段・二刀と対戦することは少なく、どこに剣先を付け、どのように攻めたら良いのか等、やや準備不足が歪めず、今後は対戦相手の構えに応じた対策が必要と感じました。

 おわりに、受審者皆様の「心・技・体」の充実、技量向上を心からお祈りし、寸評といたします。

石田 利也

審査員の寸評(剣道形)

 形審査を突破された皆様へ日頃の修錬の賜物と敬意を表します。

 審査内容は大方良好でありましたが、現段位での評価であり、あくまでも通過点であります。引き続き形充実に向けてさらなる稽古を積まれ高度な形をめざしていただきたいと思います。

 これからは上級者として、また指導的立場に立つ人として、当然自らの形に対する理解と実践力、指導力を問われることになります。その為にも是非「日本剣道形審査上の着眼点」(『日本剣道形解説書』附)を熟読玩味、自己の評価と共に、他者への評価の指針として生かしていけるようこれからの研鑽を期待いたしております。

 さて、今回担当した審査員からのご指摘を含め留意すべき点を述べますので今後の稽古に生かしていただければ幸いです。

(1)「作法の厳格化」立会前後の作法等、全般的に再確認する。
(2)形の成立の根本である、打太刀・仕太刀の関係、間合、残心、その見届け等、意味を正しく理解し実践する。
(3)一層の精神の充実をはかる。合気における気迫、気勢の充実を心掛ける(発声も含む)。
(4)小太刀‐半身の構え方、鎬(左、右)の使い方。体の捌き方を正しく身につける。
(5)形の理合を熟知する。一部表面的な形の動きに終始している点が見受けられた。本来の形の理合を正しく理解、生きた形の実践に努める。

 以上、細部については割愛いたします。

 最後に、自信を持って形を打つことができるには、正しく修錬を積み重ね自得体得することを申し添え、寸評といたします。

目黒 大作
*この記事は、月刊「剣窓」2023年10月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道七段審査会(新潟)
開催日
2023年08月05日(土)
会場名
新潟県立武道館(謙信公武道館)
〒943-0176 新潟県上越市戸野目古新田375
JR信越本線・えちごトキめき鉄道「直江津駅」から車で約15分
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