公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道六段審査会(愛知)

開催日:
2021年11月14日(日)
会場名:
名古屋市枇杷島スポーツセンター

審査会結果

受審者数 合格者数 合格率 再受審者数
632 221 35.0% 0

合格者氏名一覧

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審査員の寸評(実技)

 新型コロナウイルス感染症の急拡大により、8月中旬には緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が29都道府県に適用され、体育施設の利用が禁止されるなど稽古ができない状況が継続し、漸く10月から稽古が再開できたのではないかと思います。そんな準備期間が少ない中にもかかわらず、以前にも増して立派な態度で受審された皆様に敬意を表します。

 審査会実技で感じたことを3点申し上げます。

1.正々堂々した剣道

 「引くな、下がるな」と指導されているのか、つば競り合いから相手だけを引かせる等優位に立とうしている。現在、暫定的な試合・審判法では、つば競り合いで技が出ない場合は速やかに、双方が気を合わせて鎬を削るよう分かれるようになり、試合剣道が良くなっている。これは試合だけではなく、日頃の稽古、審査も同じであり、正々堂々した剣道を心がけていただきたい。

2.竹刀の持ち方

 審査の着眼点は、正しい着装と礼法、適正な姿勢、基本に即した打突等であるが、立ち上がり着目するのは、姿勢、竹刀の持ち方である。左手親指が右に向いている・柄頭を余して(2~3㎝)握っている・右拳が鍔から(3~5㎝)離れて握っている人が目立った。

正しい持ち方は、左手の小指を柄頭いっぱいにかけて上から握り、小指、薬指を締め、中指を軽く締め、そして人差し指と親指は軽く添えるようにする。右手も左手と同様に握り、右拳は鍔からわずかにはなれるようにする。冴えのある打ちは、正しい竹刀の持ち方から生まれるものであります。

3.胴打ちについて

 面返し胴で見事に右胴打ちをしているが、その後に相手の垂に貼り付けているシールを竹刀に巻きつけているのが数多くありました。折角の返し胴が台無しになってしまいます。腰を安定させ、背筋や首筋をまっすぐ伸ばして打つように練習されるとよいと思います。

おわりに、女性の着装がよく端正さを感じました。後ろ姿がいいといわれるような姿勢、着装に留意し、「事の未だ成らざるときは小心翼々」の如く、細かいことにまで気を配る稽古を継続され、更なるご精進をお祈りいたします。

下島 貴代一

審査員の寸評(剣道形)

名古屋における剣道形の審査について所見を述べます。剣道形は全員が合格され、晴れて御昇段されました。

形は約束に従って一定の形式と順序によって動作をするが、審査は形合せをして臨むわけではないので、呼吸の合わない場合もあり各本ごとに見ると修錬不足が散見された。

形の「重点事項」に、太刀の形においては「機を見て」小太刀の形においては「入身になろうとするところを」とある打突の時機は適切であるか。打太刀は、一足一刀の間合から打突部位を打突し、仕太刀は物打で打突部位を確実に打突しているか。以上2点について十分に理解出来ていない事が多く見受けられた。

七・六段ともなれば、指導的な立場になり後進に剣道形を正しく伝える責任があります。平素からの形の意義、修錬の必要性、効果を『日本剣道形解説書』『剣道講習会資料』でよく勉強し、精通した指導者に学び、正しい剣道形の習得に努めてもらいたいと痛感しています。

御昇段を契機に一層の修錬を念願いたします。

島野 大洋
*この記事は、月刊「剣窓」2022年1月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道六段審査会(愛知)
開催日
2021年11月14日(日)
会場名
名古屋市枇杷島スポーツセンター
〒451-0053 愛知県名古屋市西区枇杷島1-1-2
(1)名鉄 名古屋本線 栄生駅 徒歩10分、又は東枇杷島駅下車 徒歩5分(2)市バス (名古屋駅)5番のりば発 名駅11系統(名古屋駅ー名古屋駅)「枇杷島スポーツセンター」下車
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