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杖道六段審査会(東京)

開催日:
2016年01月15日(金)
会場名:
江戸川区スポーツセンター
受審者数 合格者数 合格率
44 13 29.5%

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審査員の寸評(実技)

 平成28年の新春を告げる杖道七・六段審査会が、1月15日に東京都の江戸川区スポーツセンターで行われました。今審査の当日受審者は、七段が34名、六段が44名となり、昨年と比較して13 %増加しています。しかしながら、合格者(合格率)は七段が4名( 11 ・8%)、六段が13名(29・5%)となり、合格率では、昨年の七段16・1%、六段36・8%と比較し厳しい結果となりました。中でも、将来の杖道を担う30歳・40歳代の合格率が低いことは危惧するところであり、一層の奮起を期待するものです。

 さて、杖道称号審査実施要領には、審査上の着眼点で特に留意する点として、六段・七段は「理合」「風格、品位」、同時に、初段~三段は「正しい着装と礼法」「適正な姿勢」「基本に則した打突」「充実した気勢」と記されていることをまずは確認しておきます。

 最近の傾向として、極端に癖のある技を使う方は無くなり、全剣連杖道の理解が進んでいることを実感します。一方、今審査会で最も残念なことは、会場全体が固唾を呑んで見入り、審査員が身を乗り出すような気迫のこもった演武が見られないことでした。気と気がぶつかり合い、形を通して気が合っている状態が無く、形を合わせているような演武が多く見受けられ、特に30歳・40 歳代の方に気迫・気勢の不足を感じました。形武道であるからこそ、より相手をしっかりと見る・観ることを心掛け、攻防一致の気構え・身構えを持ち演武に臨むことが肝要です。

 次に、全剣連杖道への理解が進んでいる反面、前提となっている基本動作に危うさを感じます。例えば、太刀を構えたときにいずれの構えでも、踵、特に後ろ足の踵が上がっていない。八相の構えで肘が張り肩腕に力が入り手の内が締まっていない。引落打や返し突の際、足が早く出るため気杖体の一致が無い等々。錬熟度が上がるに従い、勢いに任せた技になりがちですが、あくまでも基本を踏まえた上でなければなりません。

 次に、今審査会でも色あせた稽古着や袴の着用、着付けが正確にできていない方が散見されました。正しい着装は、姿勢を正しくし身体の運用を活かすとともに、安全な稽古の基本であることを留意してください。

 最後になりましたが、合格された方には心からお祝い申し上げます。ますます修錬を深められ、地域における杖道の普及振興を担っていただくことを切望いたします。また、及ばなかった方は、結果並びにこれまでの修錬の検証に基づく稽古を重ねられ、捲土重来を期されることを期待し寸評といたします。

森本 訓史
*この記事は、月刊「剣窓」2016年3月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
杖道六段審査会(東京)
開催日
2016年01月15日(金)
会場名
江戸川区スポーツセンター
〒134-0088 東京都江戸川区西葛西4-2-20
東京メトロ東西線 西葛西駅下車 徒歩6分JR新小岩駅南口から都バス「小島経由・西葛西行き」西葛西駅下車 徒歩6分
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