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平成24年08月号 第301回

(財)全日本剣道連盟 会長 武安義光

  時ならぬ台風の訪れもあって、今年の梅雨は西日本を舞台に荒れ模様です。各地に集中豪雨が続発している様ですが、大きな被害なく全国で夏を迎えたいものです。その夏も電力不足が心配されていますが、ようやく大飯発電所の運転再開が実現して内心愁眉を開いた向きは多いと思います。しかしこんなことまで首相が決断して進めなければならない政治情勢にはいただけない感を受けます。

  ところでその政界は、消費税増税を主とした改革を巡って、与党民主党が分裂した模様です。いずれも国民の生活重視という事ですが、国の借金漬けの財務の事情を見れば、長期的にこのままでは行き詰まることは必至です。戦後の極貧の状態から、必死の努力を積み重ねて、国民経済の繁栄をもたらした日本人の努力を顧みると、当面の甘い話に惑わされぬ、国民の英知が反映される政治が実現することを期待します。基礎的錬成での苦労が大成への道となる、剣道修錬の原則を敢えてここで持ち出すこともありますまい。速やかに安定した政治体制を築き、国政の前進を図って欲しいものです。

  さて剣道界は事業報告や決算処理など前年度の締めくくりの会議を終えて本年度事業の本格的展開に進みます。

  事業の中核を為すものは、教育、普及の推進と、その浸透を図ることです。この中では正課になった中学校体育の武道における剣道の進み方のフォローと推進があります。

  本年は60周年記念の諸事業を固める必要もあり、第15回世界剣道選手権大会において見出された問題を踏まえて、東京で開催される第16回大会の具体的準備を進める体制を固めることも必要です。通常の年の事業の推進に加えて、夏を控えて執行部には取り組むべき仕事が押せ押せの状態です。


全剣連設立60周年記念事業の構想

  全剣連はこれまでも10年ごとの節目の年を、仕事に区切りをつけることも目指して、記念事業を行って来ました。10年前の50周年にはかなり大掛かりな規模の事業を行いましたが、今回の60周年は、事業の整理・反省を重点とした地味な事業に止める方針です。

  定例的なものから始めます。まずこの10年の記録の整理を中心とした小史の作成・出版を行い、5年ごとの高段者名簿の作成、『剣窓』の特別号なども刊行します。

  10年間に事業で特別な業績を挙げられた方、特別にお骨折り頂いた方への表彰・感謝状の贈呈を取り上げます。これらは例年の功労賞・有功賞などによる顕彰とは別に行うことになります。

  記念式典と祝賀会を、年が明けての2月11日の祝日に開催することを予定し、前記の顕彰などは当日行うことになります。また記念の年に行う特別の大会は開催せず、それぞれの主要大会に、記念の名を冠し特別賞を授与する予定で、すでに実行に移しております。

  教育資料の充実のために、好評を博していた『剣道授業の展開』のDVD版の作成を進めています。

  調査研究分野では、50周年の時のような大きなプロジェクトの構想は現在出てきておりません。特別なものとしては、50周年の際取り組んだ計画を、当時の構想通り10年を経ての継続事業として、次のステップに進める予定です。このプロジェクトには、結局公式の名前は付かず、俗称「カプセル要員選定」として進められます。

  内容は、50周年の際30歳台であった若手剣道関係者を指名し、10年ごとにその動静を把握して、50年まで続けるものです。30歳台の要員は、50年後には80歳台になりますが、その時、またその時までどんな状態でいるか、どんな剣道人生を送ったかを調べる、長期的な剣道人についての社会調査を行おうということで、約50名を指名しました。これらの人は10年経った今、40歳台の働き盛りですが、ここで第1回の締めくくり調査を行います。続いて新たに数10名の新規の30歳台の要員を指名し、やはり今後50年の協力を依頼します。10年ごとにこれを繰り返し、積み重ねていく長期的構想の第2の節目として実行します。

  もう1つ提案しているのは、剣道の歴史的資料の積み上げを、長老の方の協力を得て始めようという事です。文書にすることができない経験、思い出を語ってもらい、保存することを積み上げて行こうとするものです。カタカナが入って恐縮ですが、オーラル・ヒストリーの作成事業として着手することで、具体的検討に入っています。このほか幾つかの構想が出てくることを期待しています。


第16回世界剣道選手権大会の基本的進め方

  3年後の世界大会を東京で開催することは決まりました。平成27年に日本武道館で開催されることになりますが、5月後半を予定している開催期日はまだ固まっていません。ただ大会を目指しての選手の強化訓練はすでに始められています。

  45年ぶりに東京で開く大会です。試合だけでなく剣道のお祭りとしての行事も加えて、華やかな内容にすることを考えます。


教育・普及事業における講師要員研修の役割について

  新年度の講習事業として、審判・指導法の講師要員の研修がつぎつぎと行われています。その役割・目的について振り返ります。

  60年前に剣道界が新しいスタートをしたとき、剣道の試合が最重点であり、大会の開催、試合・審判の規則の作成がまず行われました。そして戦前の心身の鍛練最重視の剣道から、スポーツ剣道として、女子も含めて急速な復興となりました。

  その結果いわゆる当てっこ剣道全盛となり、その弊害が認識され、「剣道理念」も作成され、規則の改正も続きました。全剣連は全国的な講習を始め、内容向上に努力しましたが、効果は限定的でした。

  全剣連はこの流れを改めることも目指して、試合・審判規則の全面的見直しを行うこととし、平成5年に改定に取り組みました。松永政美常任理事を委員長に、裁判官であった故石丸俊彦氏も加わり、体系・条文の整理も行い、この間、部分的には審議会などで激論もありましたが、地方へ出向いて説明会を行うなどして一般の理解も得て集大成され、平成7年に施行、面目を一新して現在生きている規則です。

  規則施行後、審判講習は続けられましたが、審判の向上を通じての試合内容の向上、剣道の質の充実にはなお努力を要する所でした。

  全剣連が直接汗を流して講習をやっても、全国的視点で見れば効果は限定的です。そこで長期的方策を検討し、迂遠な様でもまず講師になる人々の充実を図り、それらの人々の活動により、さらに講習の輪を広げていくのが、効果を上げる近道になるのではないかとの考えに落ち着きました。

  そしてこの第1回講師要員研修会を行ったのが、平成12年9月であり、先日6月30日(土)からの講習会が、第26回となり、これを数回受講して講師認定を受けた人は154名になります。また遅れて指導法についての講師要員の研修会も始められています。

  一方、平成7年より社会体育指導員資格認定の講習事業も始まり、指導力は全国的に上がりつつあります。

  さて以上の事業進展に対応して、平成17年より、全剣連は指導の実行に当たり、軸足を地方に移し、一般の講習実務の実施は地方剣連に移し、全剣連は講師派遣などにより、これを支援する体制をとることに方針を転換し、実行しています。

  このような方針における役割を担うことを期待する「講師要員研修会」であることを改めて強調させて頂き、今後の活躍を期待しております。

第26回講師要員(試合・審判)研修会
第26回講師要員(試合・審判)研修会

断 片

東北・北海道地区会長会同を開催

  昨年は東日本大震災の影響で開催できなかった、東北・北海道対抗剣道大会が、今年は復活して盛岡市で開催され、その前日の7月7日(土)に、東北・北海道地区の剣連会長にご参集願って、会長会同を盛岡市メトロポリタンホテルで開催しました。

  全剣連側から、事業展開の現状、構想について説明後、各剣連会長よりご報告がありました。中学校の体育における武道正課への剣道採用への努力、災害による被害への対応などの報告を頂き、有益な会合を持つことができました。

東北・北海道地区会長会同
東北・北海道地区会長会同

  (出席者:藤井 稔[北海道]・山野辺 辰美[青森]・鐙 喜裕[秋田]・菅崎 吉雄[岩手]・小澤 仁邇[宮城]・梅宮 勇治[福島]の各剣連会長並びに阿蘇 孝生[山形]剣連副会長。全剣連より福本 修二専務理事・筆者・長尾 英宏常任理事)


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