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寄稿「まど」

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年頭所感
(財)全日本剣道連盟 会長 武安義光

  明けましておめでとうございます。

  昨年の新年号のご挨拶では、「各層の指導力充実で成果を収めたい」と申し上げました。今年もこのことをさらに進めていくことには変わりありません。また中学校体育に武道が必修科目として加わる年も目前に迫ってきており、準備体制への進展が見られるよう、全国の剣連がラストヘビーをかけて行くことを期待します。

  指導力の増強のためには、かねてトップクラスの剣道指導者の充実に力を入れております。このため剣道講師要員研修事業を続けており、この方々がまず力を発揮して、各地の剣連の各段階の講習の充実を進めていくという方策を取ってきています。これは一見迂遠なやり方のようにも見えますが、全国的に指導力増強に効果を収めつつあると見ており、今後も続けていく方針です。

  本年度の講習では、(財)全日本学校剣道連盟が全剣連の支援の下に、各ブロックで行ってきている、中学校教員を対象とした剣道教育のための講習会が、大変受講者にも喜ばれ、効果を収めているようですが、さらにこの事業に力を入れたいと思っています。

  中学校での剣道教育の採用に当たっては、剣道具の入手に困難を感じる場合が多いのですが、剣道具がなくても形の教育などで、初期の教育はできることを承知してもらい、多くの学校で剣道教育に取り組んで頂くことを期待しております。

  さて中学校での正課採用は、剣道普及への大きなチャンスですが、剣道界としては、初級者への普及にとどまらず、剣道人の活性化、そしてすぐれた剣士の養成にも努力し、全般の実力向上を進めていくよう、諸般の事業を進めて行きます。

  剣道に取り組む人々が剣道のみでなく、社会人として充実した活動を行っていくよう、剣道を通じての人造りを進めることが、全剣連の活動の最終目標であり、この点を忘れる事なく本年も努力します。このために社会一般の剣道への理解と関心が高まることが大切で、そのための努力も怠ることなく進めたいと思います。

  また国内での活動から海外にも目を配り、すぐれた特性を備えた剣道を世界に普及し、その恩恵を受ける人を増やしていく努力も怠らず続けていく方針でおります。

  さて剣道が日本の文化として育ってきた歴史に触れておきます。剣道はもともと刀の操法である「剣術」として発達しましたが、武器としての地位が低下した江戸時代に、竹刀・防具などの工夫があり、打ち込み稽古・試合が可能になり生まれ変わりました。

  社会の諸制度が変わった明治以後も受け継がれ、その後学校教育にも取り入れられるようになりました。そして教育的効果も認識され「剣道」と呼称されるようになったことはご承知の通りです。

  正しく剣道は日本で創られた文化の所産です。ただ、これは昔からの文化財と違うところは、内容的に進歩高度化を続ける文化でなくてはいけません。

  試合偏重にならぬよう基礎を重視した「指導法」、試合の判定を的確に行う「審判法」、奨励のための「称号・段位制度」。これらは剣道文化のシステムを形作る重要な要素ですが、その内容を高め、伝統に発した日本の剣道を「剣道の理念」に沿って充実を進めるべく、全剣連は本年も努力を重ねたいと思っています。

  大方のご理解とご支援をお願い致します。


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