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平成11年5月号 第142回

武安義光

最強の剣連を選ぶ総力戦の都道府県対抗大会

新年度の初めを飾る、全日本都道府県対抗剣道優勝大会は、全剣連発足の翌年の昭和28年を第1回として開かれ、今回第47回目を迎える歴史ある大会です。一昨年より新しい大阪市中央体育館を会場として行われることになり、安住の地を得ました。

大会の出場選手の構成は、これまで職業、段位、年齢の区分で選出され、毎回熱戦を展開してきました。大会の一層の充実を図るため、昨年より、チームに年齢別の女子選手2名を加え、7人構成で優勝を争う大会としました。この結果出場選手は、すべての層から選ばれており、文字通り各剣連の総力を表す団体戦が展開されることになります。

いうまでもなく都道府県剣連は、地域の剣道愛好者の団体として、剣道の普及、発展のための諸般の事業を統括して行っている組織であり、それを代表するチームは、何よりも試合においても強くあって欲しいと思います。この大会は毎年度初頭に、最強の剣連を選ぶ団体試合と言ってよく、全剣連は今後ますます盛り上げて行くことを考えています。

その観点からすると、優勝剣連の栄誉を称えるものに、毎日新聞社提供の優勝旗がありますが、全剣連としては格別の物を用意しておりませんでした。そこで何かふさわしいものをと相談しましたところ、端午の節句の時期であり、武将のシンボルの兜がよいという名案が出ました。物色したところ、春日大社所蔵の南北朝時代の国宝の品を、東京・板橋に在住の甲冑師三浦公法氏が精密に模写、復元された手付かずの名品があることがわかりました。大会の象徴としてふさわしいものであり、入手の話を進め、全剣連より都道府県対抗大会の優勝兜として提供することとしました。

この兜については別掲の記事に譲りますが、今後毎年の優勝剣連に授与され、翌年の大会で返還の際、しかるべきレプリカを贈呈することになります。ともあれ力の籠った試合が展開されることを期待し、また大勢の方が観戦、応援して戴きたいと思います。

京都武徳殿建立100年記念として行われる演武大会

すでにお知らせしているように、第95回全日本剣道演武大会は、武徳殿が明治32年に竣工して満100年であることから、記念大会として実施します。記念行事としては5月4日の開始式に併せて記念式典を行い、関係者に記念品、資料を贈呈するほか、記念碑の除幕、また武徳殿の歴史資料の編集、出版などを行います。すでに大会参加の多くの方から賛助金を戴きましたので、それらの方に記念品、資料を贈呈します。

さて本番の大会ですが、参加申し込みの方が3,470名と前年を上回って、過去最高を記録したことは何よりと存じます。ただ組み合わせの作成、運営面の問題もあり、関係者にはご苦労を願うことになります。

この100年記念を契機として、大会の運営も歴史ある大会にふさわしいものに見直していきたいと思っています。例えばプログラムの面で、称号と段位の混在が目立ちますが、今回は称号一本で通すように整理しました。また審判も3人制が必要なのかとの声はしばしば耳にするところです。次回大会を目指して、組み合わせ作業のコンピュータ化を含め、諸問題の検討と改善を進めることとします。

さて記念行事に関連して、武徳殿の周りを見ると、由来を記した木の立て札はありますが、古びて字も読めない状態ですし、国の重要文化財になったことの表示もないようです。京都では100年くらいのものは、史跡として珍しくないとは思いますが、剣道人としては大事な場所であり、整備して貰いたいものと感じました。

剣道審査会は大会前の休日移行で受審者激増

京都における剣道審査会は、昨年の七段審査を大会前の5月3日に繰り上げ実施しましたが、休日に受審できるし、あとの休日を気楽に活用できるなど、好評でした。そこで今年は六段審査も休日前の5月2日に行うことにしました。たまたま当日が日曜だったこともありましょう。申込者が前年を2割上回り、例年京都行事のあとの休日に行う名古屋の審査に行く人が流れ込んだ結果となりました。実施側、審査員にはご苦労をかける点もありますが、受審者には便利になったことと手応えを感じ、よかったと担当者とも喜んでいます。あとはやむを得ず平日に行っている剣道八段審査が問題として残ります。

称号・段位制度の見直しを巡って

新しい称号・段位審査規則は、6月の決定を目途として、修文と関係の要領、基準など肉付けの作業を進めます。称号・段位の基準の用語にはやや難解の傾向がありますが、一部の見直しを行うほか、別に解説を作ることを考えています。

また称号・段位の返上・剥奪などを行う場合、前案では選考委員会の意見を聞くことにしていましたが、独立の諮問委員会を設ける方向で検討します。

以上のほかいくつかの細かい修正を行っていきますが、これに平行して、新規則実施に際しての運用上の問題を検討して、具体策を準備していく必要があります。

各剣連に委任する五段以下の審査における基準、着眼点の標準、六--八段についての着眼点などを成文化すること、また形、学科試験の不合格者に課する講習の要領、錬士・教士の推薦における講習の在り方、全剣連が行う構想になっている教士の試験の科目や実施時期、特に優秀な者に認められる修業年限の短縮の実行基準など、規則を見て目に付く以上のような点について具体的に掘り下げる作業が必要です。

また追授を廃止し、この際必要によりこれに代わる表彰を行うことにしていますが、具体的方法をどうするかといったことも審議する必要があります。居合道、杖道の審査規則についても検討が必要でしょう。これらのことの検討と、具体案の策定を急ぎたいと思います。

いくつかの大会を訪れて

3月末の学校休みを利用しての大会にお招きを受けて顔を出してきました。まず全国高校剣道選抜大会は愛知県春日井市において毎年3月27、28日の両日行われ、すでに第8回を数えるに至りました。同じ時期に甲子園で開かれ、テレビで全国に放映される選抜高校野球にくらべると、地味な大会ですが、全国各県から選ばれ、参集した熱気溢れる大会でした。この大会に当初からご援助をいただいている東海旅客鉄道(株)に改めてお礼申し上げます。会場の風景をご披露しておきます。

また兵庫県赤穂市での全国スポーツ少年団の剣道大会は、交流大会という名のもとに、3月26日から3日間開催、ここはNHKテレビの大河ドラマ「元禄繚乱」のお膝元、赤穂城の城郭のすぐ外側の体育館での開催でした。大会も少年剣道で火花を散らしました。そのあと史跡をご案内戴きましたが、地元の権威者で自ら買って出られた木山兵庫剣連会長の解説も見事でした。これも写真でご覧ください。

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