新年明けましてめでとうございます。
皆様方におかれましてはお揃いで健やかに新年を迎えられたこととお喜び申し上げます。どうか本年もよき年となりますようお祈り申し上げます。
新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)が流行、いわゆる「コロナ禍」から7年目を迎えました。
ふり返りますと、コロナ禍は令和2年の初頭に世界中で広がり、WHO(世界保健機関)が「パンデミック(世界的大流行)」を宣言しました。わが国でも「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」が出され、学校の休校やイベント中止、マスク着用が義務づけられました。
全剣連では3月に顧問医師名で、「新型コロナウイルス感染症Q&A」と「緊急提言『今が正念場』新型コロナウイルス感染症」を発出いたしました。
また、剣道は発声を伴い飛沫が多く飛散するという特殊性から、感染症の集団発生を防止するため三密(密閉・密集・密接)を避ける「新しい生活様式」を強く求めました。そして、すべての大会、各種行事は中止やむなしとしました。
6月に入り、稽古や剣道の活動を少しずつ再開しますが、開始するに当たっては面マスク・シールドの着用等の感染症防止策をガイドラインとして定め、剣道界挙げてこれを遵守してきました。
また、段位審査については審査会実施に当たってのガイドラインを定め、これに沿って8月以降、順次実施してきました。
それら努力の甲斐があって、普段の稽古や審査会において大きな問題は発生しておらず、ガイドラインで定めたルールに従えば、稽古や剣道の活動を安全に継続できると判断いたしました。
そして、これまで重ねてきた経験をもとに、中止と決定した「第59回全日本女子剣道選手権大会」(9月)と「第68回全日本剣道選手権大会」(11月)を翌年の令和3年3月14日、長野市真島総合スポーツアリーナにおいて同時開催で実施いたしました。
そしてこの試みが令和6年から、11月3日「日本武道館」での男女合同の全日本剣道選手権大会につながるのです。そういった意味でこの長野市での大会は後年、コロナ禍が遺したレガシーと称されることでしょう。
本年、令和8年は「丙午」の年です。
わが国では昔から、「丙午の年に生まれた女性は気性が激しく、夫を不幸にする」という迷信があります。もちろんこれには科学的根拠はまったくありません。しかし60年前の丙午の年、昭和41年には、この迷信の影響で出生率は前年に比べて25%も下がりました。
少子化が深刻な社会問題になっている今日、旧来の迷信に左右されることのないよう切に願うものです。
いっぽう近年、剣道界における女性の趨勢はめざましいものがあります。全剣連のホームページに掲載されている令和7年3月末日時点の「剣道」有段者登録数は208万1,669人ですが、その中で女性は63万1,545人を占め、30%を少し越えました。今後も女性の有段者率は増え続けるものと考えられます。
ちなみに「居合道」有段者登録数は98,685人(女性14,359人、14.6%)で、「杖道」25,744人(女性4,300人、16.7%)です。数値を見るかぎりにおいては有段者総数、女性の比率ともに剣道には遠く及ばないものの、居合道では9人、杖道では7人の女性八段が存在いたします。
残念ながら剣道ではいまだ女性の八段合格者は現れておりません。どうかこの「丙午」をポジティブに〝エネルギッシュで強い女性の年〟と位置づけ、今年こそ女性初、剣道八段誕生の年となりますことを心よりお祈り申し上げます。させていただきます。
公益財団法人全日本剣道連盟 会長
真砂 威
Takeshi MASAGO