公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

更新

剣道七段審査会(京都)

開催日:
2023年04月30日(日)
会場名:
京都市体育館

受審者数 合格者数 合格率 再受審者数
674 195 28.9% 0

合格者氏名一覧

年度別、審査会結果一覧はこちら

審査員の寸評(実技)

 令和5年度の最初の六・七段の審査会は京都市体育館において、新型コロナウイルス感染予防の対策を講じながら行われました。

 受審者の皆さんは、稽古を十分積み重ねられ今回の審査会に臨まれたと思われ、実技審査では姿勢態度、充実した気勢などにより会場全体に凜とした雰囲気が漂っているように感じられました。

 また、女性の方で「優雅さやしなやかさ」の中にも懸待一致の技を存分に発揮され、多くの方が見事合格されました。

 審査を行う中で感じたことを述べさせていただきます。

姿勢・間合・打突の一貫性

 「正しい姿勢から正しい技が生まれる」という教えがあります。

 姿勢は姿と勢いであり、正しい構えの中から湧き上がる勢いをもって、三殺法(剣、技、気を封じる)で相手を攻め、適正な間合から臨機応変にしかけ技、応じ技を打突していく、この一貫性のある剣道を行うことは容易ではありません。私も平素の稽古で心がけておりますが、皆様も高段位を目指すうえで今後の稽古で追求していただきたいと思います。

初太刀を大事にする

 「初太刀一本、千本の価値」といわれます。相手と合気になり、充実した気勢で適正な間合から繰り出される一心不乱の初太刀の技は、たとえ有効打突にならなくても審査員に強い印象を与えます。

 一方、相手を攻め崩すことができずに、また、打つ機会も適切でなければ、打突しても容易にすり上げ技や返し技で応じられることになります。

 初太刀を重視するには、平素の稽古の時に意識して取り組むことが大切であり、これが習慣化すれば試合や審査の時に好影響を与えてくれると思います。

肩の力を抜き、心を整える

 審査となると過度の緊張により平素の稽古の成果が十分発揮することができず、後悔することも多々あります。

 力まずに肩の力を抜き自然体で集中力を高める中で、しかけ技、応じ技を自在に発揮できる状態を維持することが不可欠であります。

 立ち合う前には、呼吸と心を整えて臨むと、時として緊張の中にも思いがけない技が自然と発揮できるときもあります。

 今後、皆様が研鑽を積み重ねられるうえで参考にして頂ければ幸いでございます。

横尾 英治

審査員の寸評(剣道形)

 京都市で行われた剣道形審査について感じたことを述べます。

 皆様の受審態度は終始真剣で立派でした。今回、ごく基本的なことで身につけてほしいことを記します。

〇入退場時に木刀を持った手を振らないように。

〇上座への礼、相互の礼を理解してほしい。

〇帯刀時、木刀が水平になっています(剣先は後ろ下がりです)。

〇構えを解いたとき、脇構えのときの剣先が高すぎます。

〇すりあげと払いの違いを知ってほしいものです。

〇小太刀を置く位置は、立会の位置から後方約5歩のところとなっていますが、3歩くらいが多かった。また、「後退りに」移動となっていますが「まわれ右」の受審者も見受けられた。

 実技では

◎二本目〜打太刀の小手の打ちが高すぎる。相手の「右小手の位置よりわずかに低く打つ」となっています。

◎四本目〜打太刀は「右肺を突く」がそれを「巻き返した」効果を見せてほしいものです。

◎七本目〜打太刀は正面を打った後、木刀を脇にとらない。

◎小太刀二・三本目〜残心後、仕太刀二本目は右足から、三本目は左足から戻ること。

 以上、いくつか目についたことを列記しましたが、この際しっかりと身につけてほしいものです。

 終わりに、剣道形を学ぶには、必ず指導者のよき指導を受けることが大切です。今後ますますの研さんとご精進を期待します。

西出 功
*この記事は、月刊「剣窓」2023年6月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道七段審査会(京都)
開催日
2023年04月30日(日)
会場名
京都市体育館
〒615-0864 京都市右京区西京極新明町1
阪急電鉄「西京極駅」下車 約150メートル 市バス「西京極運動公園前」下車 徒歩1分
お知らせをシェア

過去の審査会

関連する審査会